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エアコンプレッサーの消費電力

国内で使用されているエアコンプレッサーの総消費電力は、国内で消費される総電力量の約5%相当します。
一般工場設備においてのエアコンプレッサーの消費電力量は工場全体の総使用量の20〜25%もある事から、より効率的で容量制御特性に優れたエアコンプレッサーを導入する事で大幅な省エネを実現する事が可能となります。
また、エアコンプレッサーから吐き出される圧縮空気の10%程度はエア漏れとして消費している為、効率の良いエアコンプレッサーへの入替と合わせてエア漏れ対策を行う事が非常に重要となっています。

省エネに優れるエアコンプレッサーとは

省エネに優れるエアコンプレッサーとは、エアコンプレッサーは圧縮空気を供給するための装置である事から少ないエネルギー(電力、燃料)でより多くの吐出空気量を得る事が省エネに優れたエアコンプレッサーであると考えます。
エネルギー/吐出空気量=効率と考える事が出来るので単位をkW/m3/minとして比動力と呼んでおり比動力値が低いエアコンプレッサー程、省エネに優れています。

エアコンプレッサーの稼働状況は様々で工場内設備の稼働状況や大気を吸込み圧縮空気を作っている為、気温や湿度にまで左右されます。
刻々と変化する環境の中で必要量の圧縮空気を供給する為、エアコンプレッサーでは吐出空気量の調整を行っており、これを容量制御といいます。

一般的にはインバーター制御のエアコンプレッサーが容量制御特性に優れている為、万能かのように錯覚してしまいますが、常に高負荷で使用されているような環境の場合には逆に増エネとなる場合もあり一概にインバーター制御機が良いとは言いきれません。また、設置場所の雰囲気についてもインバーター制御機はシビアに考える必要があり安易な導入はせず、当社にご相談していただけるとありがたいです。

実使用において省エネに優れたエアコンプレッサーとは、 液化した冷媒を蒸発しやすい状態にまで圧力を下げる作用を膨張といいます。この作用を行う膨張弁は減圧作用と一緒に液冷媒の流量をコントロールします。

最適機種とは

最適機種の選定方法ですが、現状を把握する事からはじまります。

必要圧力、必要空気量、現状の問題点等をヒアリングする事から始まり把握しきれない場合にはデータロガーで圧力及びエアコンプレッサーの電流値を記録し解析いたします。

必要条件を満たし、維持管理コスト(イニシャルコスト、ランニングコスト、メンテナンスコスト)の安価なエアコンプレッサーが最適機種であると考えています。

実際のご提案例

お問い合わせ内容
機器要求圧力が0.6MPaであるが、末端のライン圧力は0.6MPaを切る事があるのでエアコンプレッサーの増設を考えている。
御提案内容
エアコンプレッサー稼働状況を調査したところ、エアコンプレッサーは中間負荷状態にあり吐出空気量に余裕がある状態でした。また、通常使用状態では圧力の低下が見受けられなく末端のライン圧力を調査したところ一定周期で装置が多量のエアを消費している事がわかった為、装置横へエアタンクを設置し解決しました。

お問い合わせ内容
エアが不足している為、エアコンプレッサーの増設を考えている。
御提案内容
工場内設備を確認したところ、装置個々に増圧弁が内蔵されており、装置1次側の要求圧力が0.55MPaであるのに対して増圧弁2次側の圧力が0.7MPa設定であった為、制御圧力0.83MPaのインバーター制御エアコンプレッサーを提案、装置内の増圧弁を省略し配管経路を工夫する事により大幅な省エネが可能となりました。

お問い合わせ内容
インバーター制御エアコンプレッサーを導入しているが思っていたほど省エネになっていない。
御提案内容
2台のエアコンプレッサーを使用されており、1台はインバーター機、1台は一定速機であったがインバーター機の圧力設定値が高く設定されていた為、インバーター機のメリットである容量制御特性の良さが生かされていなかった。圧力設定値を調整する事で、当初予想されていた、省エネを達成できました。

お問い合わせ内容
台数制御盤を導入しており、インバーター機を導入する事で更なる省エネを図りたい。
御提案内容
3台の55kWエアコンプレッサーを台数制御盤を使用し運転されており、5000L相当のエアタンクが設置されていました。データロガーを設置し稼働状況よりインバーター制御機へ更新した場合を試算しましたが、インバーター機へ更新したとしても1%未満の省エネ効果しか得られない為、現状のままでの使用をお勧めいたしました。