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エアーコンプレッサーの種類

1. レシプロ型コンプレッサー
レシプロ型コンプレッサーは、ピストンによって吸い込み弁からシリンダ内に空気を吸い込み、圧縮し吐出し弁から圧縮空気を吐き出します。一般的にはシリンダとピストン部の潤滑に油を使用する給油型とピストン部をダイヤフラムなどにした無給油型があります。

2. スクリュー型コンプレッサー
スクリュー型コンプレッサーは、おす、めすのねじ型のロータをかみ合わせ、ケーシングに囲まれた空間に空気を吸い込み、ねじの回転により空間の容積が小さくなり圧縮され吐き出します。スクリューの数、形状により種々に分類されます。

エアーコンプレッサーの容量制御方式

コンプレッサーの容量制御方式は大きく分けて圧力スイッチ方式と、アンローダー方式に大きく分けられます。
圧力スイッチ方式では圧力が一定圧力以上に達するとコンプレッサーの運転を停止し、また一定圧力以下に下がると、再び運転して空気を圧縮します。
空気を使用している時間が不連続で少ない場合、あるいはタンクにためておいて一度に大量の空気を使う場合などに圧力スイッチ方式のコンプレッサーが適しています。
アンローダー方式は圧力が一定範囲内で保持されるように、圧力が一定圧力以上になると、レシプロ式の場合アンローダピストン弁により吸い込み弁を押し下げ開放にしてコンプレッサーは空気を圧縮しない状態で運転しています。
スクリュー式の場合は吸い込み弁はないので、アンローダー弁により、吸入口を圧力が一定になるように比例的に絞って容量を制御しています。
アンローダー方式のコンプレッサーは空気を連続的に使用する場合および断続的ではあっても頻繁に短いサイクルで使用する場合に適しています。

エアーコンプレッサーの選定方法

空気圧機器の空気消費量が決定すると、一般的にはコンプレッサーの容量はこの空気消費量に対して1.5倍から2倍の容量のものを選定します。これは第一に計算上での空気消費量の誤差がある場合の余裕を見ておく必要があり、第二にコンプレッサーを全負荷運転させるよりも、余裕を持たせたほうがメンテナンス期間が長くなるなどの利点があるためである。その他空気配管中からの空気漏れなども考慮しておく必要があります。
なお、コンプレッサーは実吐出量(実際に送り出される空気の量)の基準で空気量を選定する必要があり、75kw以下のコンプレッサでは、実吐出量は0.75kw当り役100L/min(ANR)(圧力5〜7Kgf/cu)位を目安にすると便利である。詳しくはコンプレッサーーのカタログや資料を参考にしてください。
スクリュー式はレシプロ式に比べて一般的に10〜20%程度同じ出力に対して実空気量が多く、次に使用に最も適した方式のコンプレッサを選定することが大切です。振動、騒音が少ない、設置場所を限定しないでどこにでもおきたいということを要求される場合はスクリュー式となり、騒音や振動は少々あってもよくコストが安いことが要求される場合はレシプロ式を選ぶことになります。 最後に、コンプレッサ選定上の基準として、最初に必要なコスト、防音対策コスト、運転コストなどトータル的なコストを算出し、コンプレッサの実空気量でトータルコストを割った値が小さくなるようにすることがポイントです。

圧縮空気の
種類の確認
  • 一般の圧縮空気(給油式)または、油分を含まないオイルフリーエア(無給油式)かを確認してください。
常用圧力の
確認
  • 吐出し圧力は実際に使用する圧力より0.2MPa程度余裕のある値で選定してください。
使用空気量の確認
  • 使用する空気量は1分あたりの空気量です。
  • 吐出し空気量は実際の使用空気量(L/min)より20%以上余裕をもって選定してください。
  • カタログ等の吐出し空気量の表示は、一般的に最高圧力時に吐出す空気量を吸込み状態(大気圧)に換算した値です。
出力の選定
運転制御方式の
選定
  • 運転制御方式には、自動アンローダ式、圧力開閉式、連続・断続運転兼用式などがあります。用途に応じて選定してください。
駆動源の選定
  • 電動機駆動の場合は、電源の電圧、相、周波数を確認してください。エンジン駆動の場合、ガソリンかディーゼルかを選定してください。
騒音規制の
確認
  • 法律では7.5Kw以上の空機圧縮機が対象ですが、指定地域、規制値などが各都道府県の条例により異なる場合があるのでご注意ください。
周辺機器の
選定
  • 圧縮空気を質的・量的・圧力的に変える周辺機器です。端末機器の性能を生かし、効率の良いエアー供給をおこないます。

エアーコンプレッサーの保守について

コンプレッサーのメンテナンスでメンテナンスで最も重要と思われる点には次のようなことがあげられます。第一に、風通しをよくし、コンプレッサーモータの冷却をよくすることです。周囲温度が高いと、ピストンリング、シリンダの磨耗が激しくなり、寿命も短くなってきます。さらに、特にレシプロ式の場合ですが潤滑油の酸化の度合いやカーボンの生成がいっそう多くなりコンプレッサーの実吐出量が少なくなります。実質的には温度が高いと、吐出温度の上昇による体積効率の低下などがあるのでもっと空気量が低下する。また、モータの効率低下、寿命の低下がわずかではあるが考えられます。さらに、安全面からもカーボンが多量に生成され、万一アフタークーラーに冷却水が流れなかった場合、堆積したカーボン、酸性オイルが高温(150℃以上)により自然発火し、燃焼してアフタークーラーのチューブが溶けたり、フィルタの炉材が燃えてケーシングが溶けて穴が開き、そこから火が吹いたなどの事例があるので注意してください。そのほか、定期的にオーバーホールの励行があげられますが、このようにみてみると、コンプレッサのメンテナンスは通風をよくし、周囲温度をできるだけ低く冷却水は十分に流し、ゴミ、水、垢などは日常から十分に清掃し除去しておくなどの温度管理がポイントとなります。